日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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IMG_0408.jpg11月××日外来

40代男性
腎癌の手術、抗がん剤の治療を受けて、
その後調子が悪くて、2か月前からかかっている方。
顔色が白かったが、少しピンクがかってきている。
声も張りが出てきている。
井上内科では2か月前から人参養栄湯をずっと煎じで出ていた。
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『どんな具合ですか?』
   「変わらずです」
『少しいいことない?』
   「それは、すこしはいいです」
『顔色いいよ。残尿感とか、だるさとか、まだある?』
   「徐々にはなくなってきていますが」
『漏れるのはすこしはいい?』前医では、尿の症状なので竜胆瀉肝湯が出ていたのですが、体が弱ってしまっていたので井上内科では人参養栄湯がでています。

『急に寒くなったから体気を付けてね。舌出して』と、舌診をします。
『体が弱っていたので、まず益気しないといけないので、人参養栄湯にしていんですが。』と、説明してくれる。
『横になって』と、腹診のために横になってもらう。
 
腹診をしながら『ちょっと右の滞りが出てきているよね、肝のね。』
確かに、以前はなかった、右の側腹部にすこし抵抗があります。

『もう、そろそろね、大分いいね』ここで言霊診断をしました『例えば、人参養栄湯をのみました。これは背中はいいんだけどね。それじゃ、酸棗仁湯を1日1回飲みました...これ合ったほうがいいよね。右のところの流れ良くなるよね。』
   「はい」と、患者さんも言います。
『それじゃ、だいぶよくなったから、人参養栄湯も粉にして、それで酸棗仁湯を夜に足すと、右の流れがいいからね...』

   「右の下腹のツッパリがあるんですが」と、患者さんが言います。
『そうやね、でも、竜胆瀉肝湯はまだきついのよ。酸棗仁湯をたして、もうちょっと様子を見させてもらおうかな...今日から人参養栄湯も煎じから粉にするから、体調が悪い時は煎じに戻ってくれる。』
   「はい、わかりました」
『だいぶ落ち着いたね』
  「ありがとうございます」
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そして今回は人参養栄湯をエキスにして、酸棗仁湯を1回夜に加えました。

井上先生のコメント

・『体がよくなってきて、肝に滞りが出てきた。人参養栄湯で心を補いながら、酸棗仁湯で肝の滞りをとる。』
体がへたばっているときは左にとどこおりが出て、元気が出てくると右に移ってくると言われています。

・酸棗仁湯は肝の滞をとるのですか?と、いう質問すると『心配し過ぎて寝れないような人ね、知母があって酸棗仁があって、肝のとどこおりが取れる。柴胡までも行かないけどね。柴胡の手前の薬。』


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【2013/11/28 21:45】 | 症例
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IMG_0353.jpg8月××日外来

70大女性
腰痛などいろいろの症状でかかっている
腰が曲がっていて動作がゆっくりしている。
痩せた方
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『どうですか?この前見えたときに、苓姜朮甘湯と真武湯にしたんだけど、その前は防已黄耆湯と真武湯だったんだけど、どうだったですか?』
   「気分的にはいいよな気がします、ただ、胸苦しいというか、息が上がるような気がします」
『そうですか』
   「暑いところを歩いているとおこります。足が痛いとか腰が重いとかは変わらないんですが。」
   
『ちょっと横になってくれますか』と、腹診のために横になってもらう。
   「息苦しいというか、この辺が痛いような苦しいような感じがします」と、患者さんは自分の胸の真ん中あたりを指します。
『ああ、そうか、汗も出るしね』、腹診をすると、汗が結構多いことに気が付きます。
『汗すごくかく?』
  「汗すごく出るんです」
脈を診ながら、『ちょっと動悸しとるね、ちょっと脈がとんどるね』と、言います。『ここら辺が冷えとるね』、腹から胸にかけて冷えがあります。
『舌出してみてね』、舌はやや粘っています。

『じゃあ、この前の防已黄耆湯にしようか、...』ここで、勝手に言霊診断をしました、『そうすると、気が下がるので、胸が楽になったし、お腹が暖まってくるのでね...防已黄耆湯、真武湯とするので、前に戻しとくので。この前は腸が弱っていたので苓姜朮甘湯という薬にしたんだけどね。』

   「動悸は心臓が悪いんですか?」と患者さんが聞きます。
『そうやね、ちょっと心臓が弱っているかもしれないね。夏バテしとるね。昼間お昼寝するとか、出歩かないとか、ね無理しないほうがいいよね。』
『心電図とか見てもらってないですか』
   「最近はないです。みてもらったほうがいいですか?」
『そうやね、一度見てもらってね』
   「はい」
『腸が弱らんように、飲み食い気を付けてね、冷たいものばかり口に入れんようにね。』
   「はい」
『じゃ20番に戻しときます』
   「そうですか。ありがとうございました。」
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そして今回は、前々回と同じように防已黄耆湯を真武湯を処方しました。

井上先生のコメント
・『防已黄耆湯は汗かきの人の肺虚の時に使います。』
防已黄耆湯は単なる膝の薬でなくて、本来は肺を強くする薬なのです。
夏は汗をかく人が多くなるので、肺が弱くなって防已黄耆湯が良く使われます。
ご老人で肺が弱い時には冬でも使っています。

・心臓に負担がかかった時にも、心肺の負担をとるので使えます。
利水作用もあるので心臓にもいいようです。

・苓姜朮甘湯は腸を温める薬だと言われます。
これも、単に、浮腫んで腰が冷えて痛みがあるときの薬ではないようです。
  

【2013/08/08 22:18】 | 症例
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IMG_0344.jpg8月××日外来

70代男性
腰痛とかいろいろの症状でかかっている。
背が高くて、顔の色は白い。
声は小さくてかすれている。
やや元気がないような印象を受ける。
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『いかがですか?』
   「良かったんですがね、しかし、4,5日前からですか、何ともいえんフラットするというような、今まで経験したことがないような...」喋る声はかすれて小さい。
『フラツキがあった?』
   「フラツキとは違うんだわ」
『口乾きますか?』
   「全然。ただ精神的というか、なんだかふわっとする」
   
『いまこの首のところが、重たいんですが...』と、井上先生がいいます。見るだけで気の支えているところがわかります。
『横になってくださいますか』と、腹診のために横になってもらう。
   「食事が重たい、食べすぎかなって」
『そやね、胃が支えているよね』腹診をしながら言います。
『汗もかきますか?』
   「かきます」
『舌出して』舌はやや粘っていて瘀斑がある。
足は冷えているし浮腫みもある。下腹にすこし熱がある。
『今までは大防風湯でやっていたんですが、牛車腎気丸にするか六味丸にするとか、変えさせてもらおうかと思います』と、説明してくれる。

『ちょっと体に聞きますよ』と、ここで言霊診断を始めました。『例えば、牛車腎気丸を飲みました...それとも、六味丸を飲みました...こっちやね。いまから87番を飲んでもらいますよ。』
   「はい」
『私から見ると首の後ろが重いのよ、ここをよくするために、少しお薬を変えていますよ』
  「はい」
そしてその場で六味丸を1袋飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後にもう一回入ってもらいます。
『頭すっとしたんじゃない?』と井上先生が言います。
   「そうですか?」
『頭、楽になったよ。もう一回見せてくださいよ』と、再度腹診をする。
足は暖かくなって、腹には力が出ています。しかし、臍周りの冷えがあるので
『真武湯を一緒にしたほうがいいんかね』と、言います。
   「そうですか」
『お腹の調子が悪い時は87番はすこしやめといとね』
  「はい、わかりました」
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そして今回は六味丸と真武湯を処方しました。

井上先生のコメント
・六味丸の証は何ですか?と、聞くと
『六味丸証の人は首の後ろのほてりがある。首のとどこおりと下焦の熱があれば効く』

・『真武湯と六味丸を一緒にしたほうが陰を補うことができる』
『胸が冷えている人は、真武湯を足したほうがいい』
確かに、八味丸を長期に出していると、患者さんの胸が冷えてくることを経験します。そんなときには真武湯を足せばいいんですね。


【2013/08/02 22:07】 | 症例
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IMG_0359.jpg7月××日外来
30代女性
体調不良とかでかかっている。
前回は小建中湯が出ているので、虚労があったのだろう。
顔を見ると少し疲れている印象がある。
眉間に少ししわがよっている。声は小さい。
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『最近どうですか?』
   「熱いので疲れやすいですが、漢方で少しましです」
『それはよかったですね。小建中湯を出しているんですが。』と、説明してくれる。

『お休みください。』と、腹診のために横になってもらう。
足を触りながら、足首が冷えているので『どうしてもここ冷えるでね、ここ冷やさんようにしたほうがいいよ』と、言います。
『舌出してくれる』舌は少し乾燥している。
手がほてっているので『手がほてるよね、どっちかというとね』
   「はい」
腹を触りながら、『胃のところがちょっと冷えとるのかな...』と言います。
口が渇くので水をたくさん飲んでいるようです。
   「先週、週の途中にお腹が痛くて下痢をしました。今は落ち着いたんですが」

『手はかなり火照っているね』
『おしっこの色は濃い?』
   「見ていないです」
『夏バテ毎年する?』
   「しやすいですね」
『手が火照りすぎているよね。どうしても水分取っちゃうよね。』
『口はかなり粘る?』
   「そんな気がします」

『例えばね、夏バテの薬は清暑益気湯というのがあるんだけどね』と、ここで言霊診断を始めました。『それじゃ、清暑益気湯を飲みました...これで下腹があったかくなるね、口の粘りも取れるね。』清暑益気湯で気の流れがいいようです。
『今回は清暑益気湯にしとくよね。口乾いてもほどほどに水分取ってね』
   「はい」
『意識してあったかいものを食べたほうがいいよ。冷たいものばかり食べんようにね。冷房も気を付けてね。』
  「はい。ありがとうございました」
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そして今回は清暑益気湯を処方しました。

井上先生のコメント

・清暑益気湯を出す目標は、一般的な夏バテの症状に加えて「おしっこの色が濃いこと」「口が渇くこと」「胸に熱があること」などと言われます。
身熱がこもるのでこのような症状が出てきます。処方中の生脈散(人参、麦門冬、五味子)で口の渇きをよくして、黄柏で身熱を冷まします。

・清暑益気湯と補中益気湯はよく似ているので、鑑別が難しいことがありますが、言霊診断とかPhotoTouchMethodで容易です。

・最近、清暑益気湯の患者さんが増えています。熱いので、水分をとりすぎて、胃腸をわるくして、あっさりしたものしか食べられなくなって、結局夏バテになる患者さんが多いです。水分を取ったら夏バテが予防できるというのは間違いだと思います。その逆で水分はホドホドにしたほうが夏の間は体は元気でいられます。
 最近テレビで熱中症予防のために水分をたくさん取れと言っていますが、これで調子が悪くなっている患者さんをたくさん見ます。

・清暑益気湯について詳しくは、漢方処方解説【清暑益気湯】を見てください。


【2013/07/25 13:53】 | 症例
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IMG_0356.jpg7月××日外来
50代女性
多汗、のぼせ、頭痛とかの更年期症状で前回からかかっている。
前回は加味帰脾湯が出ている。
上品な格好をした、標準的な体格の女性。
イライラ感は感じられない。
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『どうですか?』
   「頭痛薬一度も飲まなかったです」
『それはよかったです』、また、顔つきが前回より落ち着いているので『少し落ち着かれたんですね』と、言います。
   「はい」
『加味帰脾湯を出していたんですが...』とサントに説明してくれる。
『お体見せてくださいね』と、腹診のために横になってもらう。

『更年期の症状があったんですが、良くなってよかったですね』と、言います。
カルテを見ると、多汗、のぼせ、頭痛、肩こりなどが初診時の主訴として挙がっています。
『生活気を付けてくださっていますか?』
   「そうですね、なるべく早めに寝るようにしています」
腹診をしながら『やっぱり、お腹あんまりお丈夫でないので、もうしばらくこのお薬にしようかと思います』
   「ああ、そうですか」
『前と比べてお声のトーンが変わりました』、前回よりトーンが下がって落ち着いているよです。
   「そうですか」
『これすごく効いたと思います。胃のお薬で安定剤で頭痛薬でというお薬なのでね、続けますよ。』

   「ハーブティーは一緒に飲んでいいですか?カモミールとメトルとローズマリーと...」患者さんはハーブに詳しいようです。
『体に聞くよ』と、井上先生は、ここで言霊診断を始めました。『メトルを飲みました...動悸するよこれ。ローズマリーを飲みました...これも悪くないけど、すこしね。じゃあ、ローズヒップを飲みました...これは気が上がるよ。リンデンを飲みました...これはいいね。それと、カモミールね...これは全体的にいいよ。』
   「そうですね」
『能書きにいろいろ書いていても、あなたに合っているかは別だからね』
   「分かりました」
『貴方は自分でわかるんだから、のむ前に自分の体に聞いてみてね』
   「試してみます」
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そして今回も加味帰脾湯を処方しました。

井上先生のコメント
・加味帰脾湯は胃腸が弱わい加味逍遙散タイプだと言われます。加味逍遙散は教科書的には虚証だと書かれていますが、実際には加味帰脾湯が虚証にあたるように思います。サントも加味逍遙散は実証気味の方に、よく効く印象を持っています。

・言霊診断は漢方薬だけでなく、西洋薬、食物、嗜好品、身に着けるもの、etc.なににでも適用できます。
 サントがよくやるのは、体に合っていないのに「ヨーグルト」を飲んでいる患者さんが多いので、「ヨーグルトを飲んだと思ってください」と腹診をしながらやります。すると、腹が冷えてくるのが患者さんもわかるので、患者さんにヨーグルトが体に合っていないことを理解してもらっています。



【2013/07/24 21:59】 | 症例
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