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日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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IMG_0263.jpg5月××日外来

60代男性。新患。
右胸の帯状疱疹後の神経痛で来られる。
痩せていて、声が小さい。
元気がすこし低下しているように見える。
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『いかがですか?今、どんなお薬飲んでいますか?』
   「コレステロールが高いのでクレストールを飲んでいます。総コレステロールが230だったので」
『総コレステロールが230?そんなに高くないんじゃない?』

『すこしお休みになってくれますか』と、腹診のために横になってもらう。
腹診をしながら『今のお体パッと見ると、免疫力弱っちゃっているから、もうクレストールやめてみて』、腹力はかなり弱い。
   「はいそうしてみます」
『あの、お腹弱いですよね。』
   「はい」
臍の周りがボッテと盛り上がっているので『腸が弱いおへそしていますよ』
   「はい」
   
『それでどこが痛いんですか?』
   「右の胸から背中にかけてですけど、一番困るのは服で擦れてもいたくて、この痛みがずっと続いているんですよ。ペインクリニックでブロックしてすこし良くなったんですけど、新しいお薬を試してみたらからだに蕁麻疹がでて緊急入院をしました。そのご、神経ブロックをしても改善ないし...」
『そしたら、これすぐ赤くなるので、皮膚が弱っちゃっているので、』、腹を触ると皮膚がすぐ赤くなる。
   「そうです」

『そしたらね、2か月とか、いっぺん免疫力を上げるという観点から様子を見てみますかね』
 「ええ、お願いします。これは薬の副作用で入院してから、こういう症状があります」
左右のわき腹を軽くたたいて、『これとこれとどっちが痛いですか、右ですよね』
   「そうです、右が響きます」、胸脇苦満がはっきりあるようです。
『補中益気湯みたいな感じもするんですが...」とサントに説明してくれる。

『そうですよね。おしっこの色、どんな色していますか?』
   「正常の時もあれば、濃い時もあります」
『色濃いですよね。どちらかというと』
   「はい」
『あの、夏バテしやすい?』
   「いつも、夏はクーラーにあたっていないと火照って仕方ない。逆に夏が終わると一気にバテます」

『じゃね、体に聞いてみますよ』ここで言霊診断を始めました。『補中益気湯を飲んだ...清暑益気湯を飲んだ...これが頭がすっとするよね。補中益気湯よりこっちやね。今から飲んでもらいますよ。』
そして、その場で清暑益気湯を1袋飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後にもう一回入ってもらう。
『今お薬飲んでもらって、どうですか?』
   「なんだか、体が温かくなりました」
腹診をすると『そうですね、楽になりましたよね、』腹の緊張が取れている。
  「腹の違和感が取れました」
『今から生活の指導させていただきます。2,3か月たっても、よくならんでも、焦らんようにね。体に貯金をしないといけないので。今病気が治らんのは貯金を使い果たしているので、病気としては治っているんだけど、免疫力が落ちているから。免疫力を上げるにはちょっとやそっとではあかんので、一番は生活をね。』
   「いまは無理をしていません」
『うまくいくと思いますので、頑張りましょう』
  「はいありがとうございました」
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そして今回は、清暑益気湯を処方しました。

井上先生のコメント

・清暑益気湯を出したのはどうしてですか、痛みに効くのですか?と、聞くと
『痛みには関係ない、体を立て直すことが必要。益気しないといけない』

・本によると帯状疱疹後の神経痛には「抑肝散」とか出すとあるのですが?と、聞くと
『肝に熱がないもの、この方は虚だもの。』

・痛みにはどうするのですか?と、聞くと
『痛みには痛み止めなど必要ないもの、気血を整えれば。痛み止めとかほとんど使ったことがない。それと、どちらかというと、厚朴が入った薬でいいことがある。当帰湯とかわりと使う。あとは、桂枝湯類やね、桂枝加附子とか桂枝加朮附湯とか。それが使えるようになるまで温めていく。麻黄剤とか絶対使わん。』
サントの経験でも帯状疱疹後の神経痛は難しいのです。まず、貯金をすることという発想はためになりました。


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【2013/05/31 23:26】 | 症例
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IMG_0262.jpg5月××日外来

30代男性
2年ぶりの来院。
むくみ、ドキドキ、不眠、めまいなどの不定愁訴が多い。
短パンでラフな格好をして、入ってこられる。
顔はむくんでボーっとしている。
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『今は何かお薬おのみですか?』
   「眠れないのでマイスリーと、他にも飲んでいます」見ると、パリエットなど4種類の薬を飲んでいる。
『少し休んでくださいますか』と、腹診のために横になってもらう。
『お仕事忙しいですか?』
   「移動があったので、仕事面では楽になりました」
『舌出して』、見ると舌は乾いている。『食事はどうしていますか?』
   「朝は野菜ジュースなどのジュース系、昼はパスタなどを外でとって、夜は母が作ってくれます。」
『お母さんが作ってくださるのならいいですね』腹を触りながら、『なんかむくんじゃっているよね』
   「3か月前から顔が浮腫んで、一枚皮がかぶっているような...」
『今の生活ではいかんよ。水が多すぎるよ。やっぱり味噌汁ご飯がいいよ。』
腹を触ると冷えているので『体冷えちゃっているよ。生活を変えないかんよ』
『でも、胸に熱持っているよね』
   「顔ばかり汗をかくんです」
『平成22年は、甘麦大棗湯とか真武湯とか出していたんですが、熱もあるよね。飲んじゃって冷えているよね。だから今回は、熱をとるという観点でやってみるかな』と、サントに説明してくれる。

『それじゃ言葉でいうよ』と、ここで言霊診断を始めました。『たとえば清心蓮子飲3gと真武湯3gを半分ずつ飲んだと思って...それとも2gと2gを半分ずつ飲んだと思って...3g、3gのほうが気が下がるね。今度は攻めのほうで行ってみるよ。浮腫むのは飲んでいるから浮腫んでいるよ。今から飲んでもらうでね』
と、その場で、清心蓮子飲と真武湯を半分ずつ飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後に再度診察室に入ってもらいました。
『良かったこと何にもなかった?』
   「なんか足がね、さっきまでボワーっと重たかったんですけど、スッとした感じで、目のあたりがパッと開いたような...」
『すっとしたね、そう思うよ。良かったね』、横から見ていても、顔が引き締まったような気がします。
   「はい」
『治るはずやで。自分に厳しくしないとあかんよ。熱い熱いっていうのは自分に負けている証拠。がんばろうね。半ズボンはあかんよ、長ズボンにせなね。』
   「はい」
『やたらに水分取らない、まだこれからやよ。自分を見切ったらいかんよ。』
  「はい」
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そして今回は清心蓮子飲3gと真武湯3gを分2で処方しました。

井上先生のコメント

・最近、井上先生は「清心蓮子飲」と「真武湯」を合方して良く出されます。それも、2gとか3gとか少量で使われます。統合失調症、喘息、頭痛など特に泌尿器症状の有無を問わずに出しています。広い疾患に効くと言っています。

・麦門冬が必要な方は飲み過ぎて浮腫んでいることがよくあります。だから麦門冬グループの漢方を処方するときには、本当の水毒か飲み過ぎによる浮腫みか見分けないといけません。本当の水毒の時には五苓散や苓桂朮甘湯など利水剤の適応となります。



【2013/05/31 22:12】 | 症例
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IMG_0261.jpg5月××日外来

30代女性
喘息の発作が起こるので、アドエアーを使っている。
前回は風邪症状もあったようです。
顔が少しむくんだ感じがある
大柄な女性
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『どうですか?』
   「風邪っぽい症状はなくなりました。ただ、1週間ぐらいたったときに首から背中にニキビが出て、大きいのがたくさん出て」
『それはいいんじゃない、それは毒が出たのかもしれないね。喘息があるよね、それから喘息が軽くなったんじゃない?』
   「目のかゆみがあったんですが、喘息はなかった」
『ニキビみたいのが出て体の毒というものが出たので、病気が一つ軽くなったと思うよ』
   「思春期の様な大きなニキビができたので...」
『あまり心配ないよ。いい反応やね』

『横になってください』と、腹診のために横になってもらう。
腹診をしながら、『当帰建中湯と甘麦大棗湯を使ったんですが、これでいいね』と、サントに言います。
『お通じ出ている?』
   「はい」
『甘いもの控えてね』
   「食べてないです」

『それと、足首出したらあかんよ。ここ女の人の急所だから。靴下履いてここを隠すこと。そしたら体変わるで』、足首には三陰交や太谿などの大事なツボがたくさんあるので、特に女性は、冷やさないことが肝要です。

『あなたって、力あるよ、自分で自分の病気をなおしているのでね。薬を同じにしておくでね。』
   「アレグラはください、蕁麻疹はひどくなっているので」
『出しとくからね。そのかわり、喘息はないから、良くなっているんだよ』
   「ありがとうございました。去年の喉の苦しさがないのですごい楽です」
『良かったね』
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そして今回も当帰建中湯と甘麦大棗湯を処方しました。

井上先生のコメント
・ニキビはいわゆる瞑眩ですか?ときくと
『まあ、こういうのが好転反応やね』と、答えてくれました。

・漢方を飲まれて、じんましんが出たとか言われる方がいます、
それを瞑眩や好転反応ととらえるのか、副作用ととらえるのか、これは難しいところです。元の症状が改善していれば好転反応ととらえてもいいように思えます。しかし、井上先生のように好転反応と言い切ることができる医者は少ないと思います。自分の出した薬に自信があって、予後も見通せる能力が必要になります。
*瞑眩:服薬して一時的に現れる予期しない激しい反応のこと。吉益東洞が「若し薬、瞑眩せざれば、厥疾いえず」と言ったので有名。井上先生は少量の薬を的確に出すので、瞑眩も副作用もほとんど起こらないといいます。だから、低カリウム血症のための採血もされません。
   




【2013/05/30 22:42】 | 症例
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IMG_0255.jpg5月××日外来

60代女性、新患。
冷え症、不眠、気管支拡張症があり来院する。
痩せた方、乳がんも手術されている。
マスクをして診察室に入ってくる。
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『どうですか?』
   「冷えとかあって免疫力を高めたくて、漢方で」声は小さくて、ゆっくり話して、力がない。
『そうですか。今このお薬を飲んでいるんですね』、薬手帳を見ると、クラリス、タケプロン、クリアナール、アリミデックスを飲んでいる。
アリミデックスは乳がんの薬なので、
『乳がんも手術されたんでね。乳がんはいつやられたんですか?』
   「21年の10月。これはね、5年薬飲まないといけないので」
『気管支拡張症はいつから言われているの?』
   「若い時から、30代から」
『そうですか』
   「逆流性食道炎もいわれたので、薬を飲んでいる」これはタケプロンのことです。
   
『わかりました、それじゃあ、あおむけに横になっていただけますか』
みると、喉のところが赤いので『喉に熱、持っとるね』と、言われる。
   「この前、車にぶつけられて、交通事故になって、不眠が起こった。不眠が続くと気管支にわるくて痰がよく出る。」
『肺に燥熱があってね』左右のわき腹を叩いて『これとこれではどっちが強いかね、右だね』、右のほうが圧痛があるので、胸脇苦満がはっきりしている。
『舌出してくれる』、見ると舌は乾燥している。
   「喉がかわくので、夜は舌がひっつくのでこまる」
   
『胸脇苦満があるので柴胡剤があってもいいよね。竹茹温胆湯とか、清肺湯とか、辛夷清肺湯とかね...』と、サントに説明してくれる。
『ちょっと体に聞くでね、ボーっとしといてね』と、言霊診断を始めました。『竹茹温胆湯...あるいは、辛夷清肺湯を飲んだ...呼吸が楽な方を選ぶでね。清肺湯を飲んだ...辛夷清肺湯やね。』辛夷清肺湯が気の流れがいいようです。
『副鼻腔炎があるよね』
   「はいあります」
『そうですよね、漢方の副鼻腔炎と気管支拡張症の薬を出しますよ』
ここで辛夷清肺湯を1袋飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後に診察室に入ってもらいました。
『どうですか?』
   「ちょっと胸が軽い感じがします」
『そうですよね、さっきより頭すっとしているよね』
   「はい」
もう一度腹診をすると腹はさっきより力が出ています。『胃はあったかいね。これなら辛夷清肺湯の石膏があっても大丈夫だね。下痢気味になったら、この薬を減らしてね、そして真武湯を出すので、そちらを飲んでくださいね』
   「はいわかりました。目もドライアイで乾くんですけど」
『そっちにも効きますよ』
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そして今回は辛夷清肺湯を主に、真武湯を予備に出しました。

井上先生のコメント
・辛夷清肺湯は副鼻腔炎の薬だと思っていたので、気管支拡張症にも効くのですか?と聞くと
『鼻も肺もつながっているので効きます。全部一緒です。』

・辛夷清肺湯と清肺湯の使い分けは?と、聞くと
『辛夷清肺湯には、石膏が入っているので熱をとる、渇きにいい。胃が冷えていると使いにくい。だから真武湯を予備に出した。』と、答えてくれました。
   
   

【2013/05/30 21:56】 | 症例
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シンイセイハイトウは、胃腸悪い方が飲んでも大丈夫なんですか?

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IMG_0254.jpg5月××日外来

40代女性
糖尿病で漢方治療を希望してこられる
すでにインシュリンをつかっている。
顔がむくみ気味ですこしボーっとしている
大柄な方だが、声は小さい。暗い印象がある。
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『糖尿病の治療はいつからしているの?』
   「10年前からです」
『早く起こったんだね』
   「はい」
『糖尿は上手にコントロールされている?』
   「はい」

『それじゃ、横になっていただけますか』腹診のために横になってもらう。
腹診をしながら『糖尿の人は体冷えていますので』とサントに説明してくれる。
確かに、腹部は冷えている。足も浮腫んで冷えがある。
『お腹にガスが溜まる?』
   「特に自分では自覚はないんですが」
『なにせ、冷えとるはね、体がね』
  「はい」
『足、浮腫む?』
   「夜になると靴下の跡がつきます」

そこで言霊診断を始めました。『私たちの体は肉体だけの体ではないので、薬の名前を聞くだけで体が変わるので』と、いつもの前置きをして、
『人参湯を飲みました...大建中湯を飲みました...やっぱり大建中湯でいいみたいやね。じゃあ、大建中湯と真武湯を一緒に飲みました...大建中湯だけ2袋を1日2回飲みました...このほうが頭すっきりするね。これから行くか。』大建中湯だけのほうが気の流れはいいようです。

『漢方は即効性があります。今飲んでもらうでね、それと生活のことを話させてもらいます』
そこで大建中湯を2袋飲んでもらいました。そして、隣の部屋で生活指導を受けてもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後に診察室にもう一度入ってもらいました。
『どうですか?』
   「体がなんだかあったかくなりました」
『そうやね。もう一回やすんでくれる』と、腹診のためにまた横になってもらう。『胸に熱を持っているんで。今の薬合っているのでね。大建中湯を1袋を1日2回飲んだ...これでいいか。2週間お出ししとくでね』
   「はい。それで、精神的にも落ち込みやすいんですが..」
『それも含めてお薬出していますよ。お大事に』
 「はい、わかりました」
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そして今回は大建中湯を処方しました。


井上先生のコメント

・どうして人参湯と大建中湯が鑑別に上がったのですか?と、聞くと
『腹は冷えていたので、胃の冷えか腸の冷えかちょっとわかりにくかったので、人参湯か大建中湯がちょっとわからんかった。』だから、言霊診断で鑑別したそそうです。

・『大建中湯で神経症に効くことがあります』と言われます。
大建中湯で腰が温まれば、首の流れがよくなって、神経症がよくなることがあると言われました。


【2013/05/29 22:08】 | 症例
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IMG_0252.jpg5月××日外来

70代男性
大腸がんの手術後に便が出ないといってかかっている。
大柄な男性。
一見元気そうだ。
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『いかがですか?』
   「前より良かったです」
『これで合っているんですね。回復されたということですね、大建中湯が要らんようになったということは。』、以前は大建中湯を出していて、前回は当帰湯にしている。
   「そうですね」
『このほうがお顔がスッキリされているし』
   「以前は便を出し過ぎていたんですかね」
『それじゃあ、横になって、お腹見せてくださいますか』腹診のために横になってもらう。

腹診をしながら『お顔色すごくいいですよ』、大腸がんの手術を受けたわりには顔色がいい。しかし、腹の右側には縦に長い傷跡がある。
   「先生のおかげです」
『本当によかったですね。うまくいきました。大建中湯はよくお出ししたんですがもう卒業したみたいですね』
   「ああ、そうですか」
腹診で腹には冷えをあまり感じないので『大建中湯はなくていいです、もう当帰湯だけでいいです。』

『大腸の手術されて、お腹が張って苦しくて、便が出なくて困っておられて、大建中湯と当帰湯でやって、良くなられて、もうシンプルに当帰湯だけで大丈夫のようです』と、サントに説明してくれる。

『この前、夕方火照ると仰っていたのはどうなりました?』
   「だいぶ少なくなりました。大建中湯が必須だと思っていたんですが、そうでもないんですね」
『当帰湯の中にも山椒の実が入っているので、いいんでしょうね』
  「ありがとうございました」
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そして今回は当帰湯だけを処方しました。
   
井上先生のコメント
・大建中湯と当帰湯の使い分けは?と聞くと
『お腹がすごく張っていた。本当は当帰湯だけでいいはずなんですが、術後でバランスが悪かったので大建中湯を足していたけど、必要なくなった。』

・『決定的に違うのは厚朴が入っているかいないかです。』
サントの理解では、大建中湯は下腹が冷えて腸の動きが悪くてガスが溜まっている人に、当帰湯は顔がむくみがちで腹全体にガスが溜まって胸も支えがちの人に。そんなイメージを持っています。



【2013/05/28 22:15】 | 症例
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IMG_0236.jpg5月××日外来

7代女性
膝の痛みとかで長くかかっているかた。
両膝が曲がっていて、腰も少し曲がっている。
小柄な方。
心不全もあると言います。
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『どうですか』
   「この頃は調子がいいんですけど、連休明けに胃が痛くなって、シクシクしていた。それと低体温がありました。」
『頭、重いね』見ただけで頭の重いのがわかります。
   「そうなんです、左の頭の頭皮がピリピリします」
   
『わかりました。お休みくださる』と、腹診のために横になってもらう。
   「だいぶ良くなったんですけど」
『薬を加減しないといけないかね』
『舌見せて』、舌はすこし歯痕があります。『湿ってきているから、真武湯生脈散をちょろちょろ飲んでもらっているんですが。』

ここで言霊診断を始めました。『防已黄耆湯と真武湯を一緒に飲んだ...気候がガラッと変わってきたので...防已黄耆湯と真武湯を飲むと首の後ろがらくになるね。じゃあ、前の真武湯生脈散を飲んだ...よりも、防已黄耆湯と真武湯を1袋ずつ一緒に1日2回飲みました...こっちがいいよね』
防已黄耆湯と真武湯のほうが気の流れがいいようです。
『今回、胸に熱を持っているので、あと、舌が水気が多くなってきているので水毒の薬にします』

   「左の小指だけが冷たくなってしびれる」
『それは心臓ね、心不全が少しありますのでね』小指には少陰心経が走っているので心臓に対応します。
   「教わったように、マッサージをしているんです。」
『今年の気候はすごく悪いので無理せんようにね』
  「ありがとうございました」
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そして今回は真武湯と防已黄耆湯を処方しました。

井上先生のコメント
・『低体温があって心不全もあったので真武湯生脈散をだしていた。でも、胸に熱を持ってきたので、やめんといかん。もともと、膝が悪くて、真武湯、防已黄耆湯を飲んでいた方だったのでこれに戻した』

・水気が多くなってきて膝も悪いので防已黄耆湯があっているのです。
井上先生は防已黄耆湯と真武湯をよく一緒に出されます。
防已黄耆湯をだす目標は「尿の勢いがよわい」ことだと言われます。
最近、熱くなりだしたので、汗をかく方が増えてきています。サントの外来でも防已黄耆湯が増えてきています。
防已黄耆湯は、むくんでいて、汗をかいて、尿の力がなくて、膝が悪い人に良く効いてくれます。


【2013/05/26 21:46】 | 症例
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IMG_0245.jpg5月××日外来

30代男性
母親と一緒に来院。
不眠と頻尿が主訴。
問診票を見ると、精神科でたくさんの薬を貰っている。
薬の内容からすると重度の精神疾患のようです。
太っていて、顔がぼーっとしていてのぼせている。
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『いかがですか?それじゃあ、ちょっとお休みください』
腹診のためにすぐに横になってもらう。
井上先生は問診をあまりせずに、すぐに横になってもらうこともあります。
腹診をしながら問診をして証を決めていくことも多いです。

『煙草はよく吸われますか?』タバコのにおいがついたので聞きます。
   「はい、吸います。1日1箱ぐらい」
『お仕事はおやりになっていますか?』
   「文筆業やっています」
『夜遅いですか?』
   「そうでもないです」
腹診をすると下腹部が冷えて力がないので
『おしっこ残った感じしますか?』
   「残った感じじゃなくて、出たあとに、垂れちゃうんですよ、便器に。汚してしまう」しゃべり方も、滑らかでなく、もどかしい感じがする。
   
『そうやね、神経使いすぎてるのね、清心蓮子飲でいかんかな。まずね、体が疲れて見えるやろうし。』と、サントに言います。
脈は弱い。精神科の薬をたくさん飲んでいる方の脈は総じて弱い。
手足を触ると火照っているので『体、火照りますよね』と、聞きます。
   「火照るという感覚はあまりないです」
   
『竜胆瀉肝湯より清心蓮子飲だよね、疲れだものね。小建中湯で行くか、神経の高ぶりをおさえると...清心蓮子飲で行くか...』
井上先生は勝手に言霊診断をやり始めています。患者さんには断っていないので患者さんはわかりません。
『清心蓮子飲で行くか...それとも小建中湯2袋飲んだ...やっぱり清心蓮子飲やね。今からお薬飲んでもらうよ。神経が落ちつくようなね。』清心蓮子飲のほうが気の流れがいいようです。
患者さんのもってきたお薬手帳を見ながら、たくさんの薬に初めて気づいたのか『いろいろ、お薬貰われたね』
   「卒業してからずっと飲んでいますから。」
『ああ、そう、まずこれ飲んでみようね』
と、そこで清心蓮子飲を1袋飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・
しばらくすると『いまちょっと頭すっきりしてきたね』と井上先生が言います。
見ているだけで気が下がったのがわかるようです。
   「まあ」
『ちょっとスッとっしてきたね。今、気が臍下丹田まで下がったね』
腹診をすると、確かに下腹部の力が出てきています。
『タバコやめれんかね』
   「禁煙もやっているんですけど、3回目、毎日禁煙の準備している」
『そう、この膀胱神経症を治すような薬で、タバコ吸いたくなったらこの薬飲んでみ。止めれるかもしれんよ』
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そして今回は清心蓮子飲を処方しました。

井上先生のコメント

・井上先生は最近、特に清心蓮子飲をよく処方されます。
麦門冬が入っているので、乾いた現代人にあっているようです。
この薬を説明するのに「上盛下虚」というのがよく使われるキーワードですが。中医学的な「気陰両虚」のほうがこの薬をよりよく説明すると言われます。そうすると、多くの疾患に利用できると言われます。

・男性であろうが女性であろうが、下焦の問題があって、のぼせて口が渇いている人には使いやすい薬です。



【2013/05/25 22:45】 | 症例
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IMG_0241.jpg5月××日外来

3歳の男児
風邪の後に体の火照りがあるといって
母親が連れてくる。
元気そうな子供。良く動く、機嫌もいい。
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『大きくなったね、赤ちゃんでなくなったね。』井上先生のところで、小さい時からずっと見ている子のようです。井上先生は小児科もやっています。
   「しばらく前から咳はしていたんですけど、昨日の夜、触るとすごく熱くて...」と、お母さんが言います。
『口乾いとるよね、鼻血は出とらん?』
   「そういえば布団も血で汚れていて。いつもかさぶたをいじくっている」

『ねんねしようか』と、ベッドに寝てもらう。
   「朝測ったら36.6度で熱はないんだけど、なんか熱い」
『うんこは?気張っている』
   「昨日はきばっていたよね」

『なんか顔のところに湿疹ができとるよね』
   「あと、耳の後ろが、赤くなっている」
見ると、耳の後ろが赤く荒れている。
『アッカンベして』舌は、赤いので熱があるようです。
『六君子湯でもいいのかな...胃に熱があるようだしね』
『43番にしようか?』

   「幼稚園に行っても大丈夫ですか?見た感じはいいんですが、触ると熱いので」
『そうやね、ちょっと待って、熱いね』、体を触るとやっぱり熱い。『身熱があるということやね。一番軽いのが六君子湯なんだけど、まさかこの薬好きじゃないよね、清暑益気湯だけど』

『それじゃ、ちょっとこれ舐め舐めしようか。』薬包紙の上に六君子湯と清暑益気湯を別々にだして勝手に舐めてもらいました。
こどもはすでに漢方になれているようで、順番に舐めていきます。

『これ飲んだらどうなったかな』
清暑益気湯も嫌がる風でなく舐めています
『いいんだね、いいんだね。鼻は、六君子湯より通るね。身熱をとる薬。苦いけどおいしいんだね。』
子供は、美味しいのか、どんどん舐めていきます。最後には「アーっ」と満足そうな声まで出しました。
『これ気にいってくれたね。これにしよう』

   「今日、お母さんと、一緒に家にいようか。昼寝しようか」
『それがいいね、お母さんが、よくわかっていてくれてありがとう』 

『お母さんはどうかな?』
   「やっぱりしんどいのが取れない」
『まだ火照っているもんね』
   「喉がまだいたかった」

『やっぱり二人とも清暑益気湯だね、ゆっくり寝ないといけないかね』
『夏バテの薬出しとくで、無理せんようにして』
  「はい」
*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*
今回は、子供も母も清暑益気湯を処方しました。

井上先生のコメント
・清暑益気湯は黄柏が入っているので苦い薬です。だから、小さな子供は普通は嫌います。

・井上先生は、体に熱があるときは小さな子供には六君子湯にして、清暑益気湯は出さないのですが、最近は変わってきていると言います。磁気の影響や空気の汚染の影響で子供でも乾燥している子が増えているのでしょうか。
大人でもこのところ、清暑益気湯や滋陰至宝湯、滋陰降火湯、清心蓮子飲などの渇きをとる薬を多用しています。


【2013/05/23 22:54】 | 症例
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IMG_0240.jpg5月××日外来

60代男性
不眠で来られる
痩せたかた、少し表情が硬い印象がある。
☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆
『ベンザリン、ハルシオン?』
   「はい飲んでいます、5年ぐらい」
『そうですか。ちょっとお休みください』と、腹診のために横になってもらう。
『他には何か飲んでいる薬はありますか?』
   「それだけです。この前まで少し尿の出が悪かったもので、ハルナールを飲んでいたんですが、いまは飲んでいません」
『わかりました』

腹診をしながら、胸脇苦満があるので『かなり神経高ぶる人だよね?』
   「そうですかね」患者さんは、そうだとは言われません。
『そうですか、違いますかね...』

更に、腹は腹直筋が緊張していて、腹力は弱い『疲れやすいですか?』
   「そうですね。運転して、仕事しているんですが、夕方に終ったころには疲れている」
『胸脇苦満あるよね。抑肝散と小建中湯ぐらいかな...お腹に虚はあるもんね、冷えもあるし』、サントに言います。
『ちょっとね、体の疲れと神経の高ぶりを押させるような薬を、肝臓をよくする薬を出してみます。』
   「肝臓が弱いんかね。それでビール350mlで真っ赤になるんだね
『そうやと思うよ』
     「分かった」患者さんは、なんだか勝手に納得されたようです。
『不眠症の薬を出すんじゃないのよ。肝臓の高ぶりをおさえて、補う薬をお出ししますので、自然に変わってくると思うよ。だんだん睡眠薬が要らんようになってきたら減らして』
   「ビールもダメなんだけど、魚を生で食べるとひどいね。体全体にじんましんが出る。寿司なんかダメだね。一切食べないようになった。」
『いわゆる解毒体質といってね、そんな体しとるのよね。お坊さんは生臭いものは食べないよね。それで長生きしている。豆とか野菜でいいよ』
   「わかりました」
*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*
そして今回は抑肝散と小建中湯を一緒に出しました。

井上先生のコメント

・どうして一緒に出したのですか?と聞くと
『虚があるからね、肝を瀉すだけじゃ無理。同時に補うことが必要』

・抑肝散というと「怒り」があると思うのですが?と聞くと
『顔が硬くてきつい。胸脇苦満があって腹直筋の緊張があるしね』

・一貫堂の解毒体質用の「柴胡清肝湯」とかでもダメですか?と聞くと
『臍下が虚だもの』と、答えてくれました。

・抑肝散については、原典の《保嬰金鏡録》には「睡臥安からざるを治す」とありました。不眠の場合には抑肝散も鑑別に挙がるのです。


【2013/05/23 22:07】 | 症例
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IMG_0239.jpg5月××日外来

40代女性
不眠、手足のしびれ、のぼせなどでかかっている方。
横浜から来られている。
体は頑丈そうだが、顔は少しむくんでいて少しボーっとしている。
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『どんなご様子ですか?』
   「薬が切れたので、風邪引いてしまったので、横浜の漢方の専門の先生のところにいって薬を貰いました。それが、合わないみたいで、体がガチガチになってしまった」
『何もらったの?』
   「柴胡加竜骨牡蠣湯と白虎加人参湯と石膏」
『どの先生にもらったの?』
   「○△先生です。」
『中医学の先生にもらったのね。休んでくれる』と、腹診のために横になってもらう。

『舌出してくれる』舌は少し赤い。『あなたって、敏感な体じゃない?』
   「うん。いちいち薬に反応する」
腹診をしながら『わかった、これ。その先生は柴胡と思われたのね。これ、胸脇苦満(きょうきょうくまん)と取ったのね。』、心窩部から季肋部にかけて緊張があるのそれを胸脇苦満と取って柴胡加竜骨牡蠣湯を処方されたというのです。『でも、これは、どっちかというと心下痞堅(しんかひけん)だよね。胸脇苦満じゃないと思うよ。』、心下痞堅だと木防已湯の証になります。
『その先生は、ここの緊張を胸脇苦満と取って、この胸のところに熱があるので白虎加人参湯にしたんだよね。熱あるけどこれ心下痞堅だもの。だから木防已湯証だよね。まえに、うちでは人参湯と真武湯を出したのよね、それで胸に熱を持ったのね、それで白虎加人参湯にしたんだね、たぶん。』と、説明してくれます。

『それじゃあね、木防已湯を飲んだと思ってくれる。』と、ここで言霊診断を始めました。『木防已湯を飲んだ...これ少し気が下がらない?たぶんこれだと思うので、今飲んでもらうよ。』
ぞして、木防已湯を1包飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後にまた診察室に入ってもらいました。
『どんなかんじですか?』
   「胸が楽なってきた」
『そうやね。横になってくれる』と、もう一度腹診のために横になってもらいました。
腹診をすると『まだまだ、ここは堅いでね。これはお通じもつけるでね。』

触らせてもらうと、さっきよりは緩んでいますが、まだ痞堅を感じます。『これは正反対に間違えやすいのよね。』、井上先生は、心下痞堅は胸脇苦満と間違えやすいと言われます。

『無理したらあかんよ。神経使いすぎてもあかんよ』と、患者さんに言います。
   「はい」
『もし下痢するようだったら、真武湯にしてね。お大事に』
*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*
そして今回は木防已湯を処方しました。

井上先生のコメント
・心下痞堅(しんかひけん)ってどういう所見ですか?と聞くと
『心不全のときにでる。鬱血性心不全になっているときにでる。リンパの流れが悪くて、心下と季肋部にリンパがうっ滞して堅くなる。胸脇苦満でなくて胃内停水でもない』
心下痞堅という言葉は《金匱要略》の「木防已湯」のところに出てきます。


・井上先生は心不全に真武湯生脈散もよく使うのですが、違いは?と聞くと
『真武湯生脈散はそこまでいかない、胸が冷えて喉の乾燥がある、そして体にむくみがある。この方はリンパのうっ滞があるので木防已湯だよ』
サントの理解では、真武湯生脈散は水によるむくみが主で、木防已湯は横隔膜のあたりのリンパの鬱滞が主になるということでしょうか。


【2013/05/22 22:30】 | 症例
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IMG_0231.jpg5月××日外来
40代女性
不眠、パニックなどがあり
寝る前に痙攣が起こると言って来られている。
心療内科からたくさん薬が出ている。
大柄な人。顔にはむくみがある。
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『どうですか?』
   「わるくないです」
『寝る前の体の痙攣はどうなった?』
   「あります、毎日ではないですけど、週の半分ぐらいは。」
『そう、まだ半分?何時に寝ている?』
   「12時ぐらいです」
『もうちょっと早くできる』
   「早くしてみます」
『夕飯は何時にしている?』
   「7時から8時の間です」

『それじゃお腹見せてくれる』と、腹診のために横になってもらう。
腹を触ると、胃のあたりから下腹まで膨れているので『沢山食べれちゃうタイプだよね』と、言います。
   「そうですね。夜は最近あまり食べないようにしているんですけど」
『寝る前までパソコンやったりしていない?』
   「パソコンはしていないです、本を読んだりはしているんですけど」
『お通じはどう?』
   「便秘です、小さいころから便秘なので、出ない時は1週間とかもでない」
『いまはどのくらい』
   「3日に一回ぐらい」
『ガスはよく出る?』
   「そうでもないです」
   
『舌出してくれる』、舌は少し赤い。『熱持っとるよね』
手足も顔もむくみがあるので『少しむくみがあるよね』
『寝る前にどうしても水分取る?』
   「寝る前に薬を飲むので。ランドセンを」、心療内科でランドセンが処方されているようです。

『なんか、厚朴の場があるように思うのですけど。竹茹温胆湯を出していたんですけど、麦門冬でやるか厚朴でやるか...なんか顔がむくんでいる感じがあるのでね』と、サントに説明してくれる。
そこで言霊診断を始めました。『体に聞いてみるよ』と前置きをして、『滋陰降火湯を飲みました...滋陰至宝湯を飲みました...あとはね、平胃散を飲みました...これも頭すっとするね。それとも、九味檳榔湯を飲みました...これより平胃散がいいよね。それじゃ、平胃散で行きます』今回は平胃散がもっとも気の流れがいいようです。

『胃の流れが、円滑でないようにおもうので、ちょっと薬を変えてみるよ。あまり食べ過ぎないでね』
  「はい」
*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*
そして今回は平胃散を処方しました。

井上先生のコメント
・平胃散と胃苓湯との使い分けは?と聞くと
『胃苓湯なら下痢するよね、この方は便秘だから。』と、答えてくれました。

・平胃散と胃苓湯(平胃散+五苓散)は、どちらも厚朴が入っていて、食べ過ぎによくつかわれます。腹診で腹を触って、いかにも食べ過ぎといったふうで、胃のところが膨満している方にいいようです。
でも、平胃散と胃苓湯を長期に使うことはあまりないようです。他の厚朴の薬に移行する前段階に使うようなイメージを持っています。



【2013/05/20 22:08】 | 症例
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IMG_0229.jpg5月××日外来
30歳女性
妊娠8か月
やや太り気味の方
5歳の子供さんと一緒に来院する。
前回の妊娠の時には、妊娠中毒が起こったようです、
それで今回は早くから漢方治療を受けています。
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『どうですか?タンパクとか尿におりとらん?』
   「大丈夫です。でも圧迫されて、...」
『今、何か月?』
   「8か月」
『ちょっとえらくなってきたね、浮腫みは?』
   「浮腫んだり浮腫まなかったりで」
『血圧は?』
   「それも大丈夫です。でも圧迫されて、相変わらず便秘と下痢の繰り返しがある。それと胃もたれと吐き気がひどくて、一日中横にならないと、吐き気があるので。それで産婦人科の先生にお願いして胃薬を飲んだら寝込まなくて済むようにはなったんですけど...」
『ああ、そう』
   「それでもやっぱり寝込むことはあって」

『この前、附子湯という薬を出したんだけど、それじゃもうちょっと加減するでね。寝てくれる。』腹診のために横になってもらう。
患者さんはお腹が重たいのでゆっくり横になる。

『下痢の回数はどのくらい?』
   「便秘してて、出たときは緩くなっている」
足を触りながら『足はむくんでないよね、そんなにね』
   「ええ」
『附子湯という薬にしたよね。真武湯系統が合う体なんだけどね。そうだね、だんだん...便秘がちになる人だったら、当帰芍薬散に変えていきたんだけどね』
『舌出してくれる』舌はとくに目立った所見もなさそうです。

『それじゃ、体に聞くよ』と、そこで言霊診断を始めました。『一般的には、当帰芍薬散を飲みます。当帰芍薬散を飲んだと思って...これ胃が暖まってくるね。』
   「はい」患者さんも気の流れがわかります。
『それじゃ、当帰芍薬散と真武湯を一緒に飲んだ...これで行くか。当帰芍薬散だけで行くか...やっぱり真武湯と一緒に飲んだほうが下半身が暖まってくるね。』
   「そうです」2つを組み合わせたほうが気の流れはいいようです。
『真武湯と当帰芍薬散にして、風邪ひいたときは真武湯だけにして。そうしようか』
   「はい」
『当帰芍薬散は妊娠中毒の予防になるからね。お出ししておくよ』
   「はい、ありがとうございました」
*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*
そして今回は当帰芍薬散と真武湯を一緒に出しました。

井上先生のコメント
・妊娠中の漢方の使い方は?と聞くと
『正常妊娠は当帰芍薬散。それと、あと後期になって妊娠中毒とかになってくると芎帰膠艾湯とかの四物湯系統だと思っています。』と、答えてくれました。

・浅田宗伯《勿誤薬室方函口訣》の「当帰芍薬散」のところには当帰芍薬散と芎帰膠艾湯の使い分けを書いていました。
『また胎動腹痛に此方は㽲痛とあり、芎帰膠艾湯にはたゞ腹痛とありて、軽きに似たれどしからず。此方は痛み甚しくして大腹にあるなり。膠艾湯は小腹にあって腰にかゝる故、早く治せざれば将に墮胎の兆となるなり。二湯の分を能く弁別して用ふべし。』
これもとても参考になります。



【2013/05/19 18:33】 | 症例
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IMG_0225.jpg5月××日外来

70代女性
以前からかかっている方
風邪をひいて、咳が出て痰が出るという
良く喋り、一見元気そう。大柄な方。
額が赤い。
☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆
『こんにちは、体調は良かったですか?』と、聞くと、
   「いや、良くない」と、患者さんが言います。
『どんなに?』
   「あのね、連休中に、風邪だと思うだけど、咳が出て痰が出て、それで先生から前にいただいていた90番(清肺湯)を飲んだ...」
『私はね、風邪の時には30番(真武湯)を飲んでくださいって、書いているよ』
   「それ飲んでいたんだけど、なくなっちゃった、それで連休中だから、90番に「痰」って書いていたので、これを飲んだんです。それでだいぶ良くなった。」
『わかったよ』
   「でも、この風邪には90番はよかった。だいぶ楽になった」
『わかった。清肺湯が効いたんだね。ここに熱があるからね。』おでこのところがすこし赤くなっている。『前より、おでこのところが赤味が減ったけどね』
以前はもっと赤かったようです。
『清肺湯でいいのかもしれないね。熱とりだから。』

ここで横になってもらって腹診をします。『お腹しっかりしているので、いいのかもしれん』腹はわるくない。『冷えもないし、いいのかね、量を少なめにすれば』
『舌出してみて』舌も赤味がかかっている。
『麦門冬も入って。これでいいね。』
『まだ90番は残っている?』
   「全然ない」
『じゃあ、少し出しておくから。2週間ぐらいね』
  「ありがとうございました」
*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*
そして、今回は清肺湯を処方しました。

井上先生のコメント
・釣藤散と清肺湯はどんなに違うのですか?と聞くと
『麦門冬が入っているので良く似てるんですが。清肺湯は痰の薬がいっぱい入っている。釣藤散は肝気鬱結の薬。』

・サントの患者さんで、イライラしておでこのところが赤かった方に釣藤散をつかったら、穏やかになって落ち着かれた方がいます。顔つきはこの患者さんに、似ている印象でした。
 もう一人の方は、すごいヘビースモーカーで、禁煙を徐々に始めたのですが、その間「竹茹温胆湯」や「麦門冬湯」を使って対処していました。ある時、肺から長年溜まったタバコの毒が出てきて、診察していてこちらも苦しくなる感じがありました。こんな時に、清肺湯を出したら効きました。清肺湯は、まさに、肺を清くする漢方だという印象を持っています。






【2013/05/11 22:33】 | 症例
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123.jpg123. 当帰建中湯

【生薬構成】
芍薬5、桂枝4、大棗4、当帰4、甘草2、生姜1 (g)
*小建中湯に増血、滋養、強壮、鎮痛効果のある当帰の配されたもの。膠飴が抜かれているが状況により加える。当帰があるので女性向の薬と言える。
【原典】
《金匱要略》の『婦人産後病脉證治第二十一』

【古典】
浅田宗伯の《勿誤薬室方函口訣》には『辨は小建中湯の條下に詳にす。方後に、地黄、阿膠を加ふる者、去血過多の症に用ひて十補湯などよりは確當す。故に余は上部の失血過多に千金の肺傷湯を用ひ、下部の失血過多に此方を用ひて内補湯と名づく。 』とあります。
*辨は小建中湯の條下に詳らかにす:とありますが、小建中湯のところにはありません。 十補湯:十全大補湯のこと。
【先人】
・すなわちこの方は婦人の腹痛、子宮出血、月経痛、および産後の衰弱、または下腹部より腰背に及ぶ疼痛によく用いられる。 《矢数道明:漢方処方解説》
・疲労しやすく血色のすぐれない次の諸症:月経痛、下腹部痛、痔、脱肛の痛み。 《秋葉哲生:活用自在の処方解説》
・貧血、冷え症/腹部軟弱/下腹部痛 《高山宏世:漢方常用処方解説》

【井上流】
・生理痛、産後の衰弱ばかりでなく、アトピー性皮膚炎など諸疾患にも用いて効果の高い薬です。虚弱となった今日の女性には瘀血があると思われても桂枝茯苓丸や温経湯などの効きが悪く、今ひとつ、改善されないことがあります。そうした時に良く診ると、現代女性は男女機会均等法などの関係で女性も男性と同じように夜遅くまで仕事をするために慢性的に著しい過労に陥り、時には生理まで閉止してしまう方もいます。虚労を治す建中湯に当帰が配されて補血しながら軽く駆血する効果のある当帰建中湯が良いことが多々あります。

・今日の女性の生理痛のファーストチョイスは当帰建中湯です
《以上;、脾胃を整える「建中湯類」の活用》

・当帰建中湯は虚労「心身疲労」に陥った女性の身体の底上げをすることで、冷えを治し、軽い瘀血を治す薬方で月経障害ばかりでなく、広く諸疾患に用いて効果が高いです。今日の女性にとって一番大切な処方となっています。 《女性の漢方治療基礎》

・当帰という女性生殖器の働きを良くする生薬が配されている。
生理痛・頭痛に使用。思春期以降の女子に良く使用。 《小児科領域の漢方治療》

【Dr.サントのコメント】
・小建中湯証で女性であれば当帰建中湯も考慮します。虚が強ければ小建中湯になって、虚がそれほどでもなければ当帰建中湯になります。
小建中湯か当帰建中湯かの鑑別は、前者が胃腸症状で後者が子宮症状の有無ででできるかもしれませんが、PhotoTouchMethodで簡単に鑑別できます。

・生理痛となれば一般の教科書では「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」とかになりますが、「当帰建中湯」が合う人が多いように思います。虚労を見逃さないことがポイントになります。

・確かに、男性では当帰建中湯があうひとは少ない印象があります。
男性だと、帰耆建中湯(黄耆建中湯+当帰建中湯)になるようです。

・井上先生もよくやっていますが、真武湯を併用すると効果が上がる印象です。
大体、当帰建中湯が合う人は裏寒があるので真武湯を入れるとさらによい印象です。

・女性で、つかれて、動悸がして、手足がほてって汗ばんで、子宮症状がある場合に、いいと思います。あと、女性で朝起きにくいという人に良く効く印象を持っています。サントの経験ですが、朝怠くて起きれなくて、目覚ましを5つも掛けているという方にとても効いてくれました。

【症例にリンク】
症例1. 2. 3.



【2013/05/10 22:22】 | 漢方解説
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98.jpg98.黄耆建中湯
【生薬構成】
芍薬6、黄耆4、桂枝4、大棗4、甘草2、生姜1、膠飴20 (g)
*小建中湯に黄耆を足した構成になっています。小建中湯の記事を参照してください。黄耆があることによって補気と皮膚に作用するようになります。
【原典】
《金匱要略》の『血痺虚勞病脉證并治第六』

【古典】
浅田宗伯の《勿誤薬室方函口訣》には『此方は小建中湯の中気不足、腹裏拘急を主として、諸虚不足を帯ぶる故、黄耆を加ふるなり。仲景の黄耆は、大抵、表托、止汗、去水の用とす。此方も外体の不足を目的とする者と知るべし。此方は虚労の症、腹皮背に貼す。熱なく咳する者に用ふと雖も、或は微熱ある者、或は汗出づる者、汗無き者倶に用ふべし。外台黄耆湯の二方、主治薬味各少し異なりと雖、また此方に属隷す』とあります。
*表托:皮膚の化膿症など 止汗:ここでも汗を止めることが黄耆の役割として注目されています。漢方では汗が出ると気が漏れて疲れやすくなるとされています。 
【先人】
・小建中湯証に似ているが、表裏ともに虚し、さらに虚状のはなはだしい場合に用いる。  《矢数道明:漢方処方解説》
・小建中湯の適応症以外に、自汗、息切れ、食欲不振、疲れやすい、元気がないなどの気虚の症候が顕著にみられるもの。 《秋葉哲生:活用自在の処方解説》
・小建中湯証に加えて、一段と表裏共に虚し、自汗、息切れ、疲れやすさなどの気虚の症状が著しい。/易疲労、虚弱、元気がない/腹部軟弱/下痢、腹痛の傾向 《高山宏世:漢方常用処方解説》

【井上流】
・小建中湯に黄蓍を加味した処方。黄蓍は皮膚の栄養を助け、寝汗を止め、肉芽を生じ、化膿を止める作用がある。汗かき、寝汗を目標にアトピー性皮膚炎、中耳炎、蕁麻疹などに用いる。胃腸粘膜をも丈夫にする作用があるため、腹痛、胃潰瘍にも用いる

・膀胱神経症の薬として猪苓湯や清心蓮子飲が有名ですが、虚労を治す黄耆建中湯で膀胱神経症が良くなる人も多いのです。

・虚労に対する治療処方である黄耆建中湯など建中湯類は一般的には小児の体質改善薬として使用され、生活習慣病には用いられません。しかし、現代においては成人の生活習慣病に用いても極めて効果の高い処方です。肝の働きが弱く、興奮しやすく疲れやすい、いわゆる虚労タイプの人は食べるとエネルギーが高まり元気になるので食べ過ぎてしまって太り、脂肪肝となりやすいのです。そうするとますます肝の働きが悪くなり疲れやすくなります。それでも、食べるとエネルギーが高まり、一時的に元気になるので食べ過ぎてしまいます。虚労のために悪い連鎖をついつい繰り返してしまい、生活習慣病に陥る人が現実には多いのです。
《以上;脾胃を整える建中湯類の活用》

・皮膚、粘膜の修復作用に優れている黄耆が配され、胃十二指腸潰瘍治療薬のファーストチョイス。 《消化器疾患の漢方治療》

・汗かきで寝汗の出やすい人の諸疾患に用いて効果の高い薬であるが、自律神経失調症にもよく用いる。 《自律神経失調症の漢方治療》

・虚労を治す処方ですが、肝虚の著しい人のアレルギーに使用。 《現代のアレルギー疾患に対する漢方治療》

・小児体質改善薬として有名ですが成人で疲れすぎて尿の勢いが無い、尿がスッキリ出ない、残尿感があるなどと訴える人にも用います。 《泌尿器領域の漢方治療》

・小建中湯に黄耆を加えた処方 汗かき、寝汗を目標に喘息の体質改善にも良く使用。 《現代のアレルギー疾患に対する漢方治療》

【Dr.サントのコメント】
・小建中湯の証に加えて、寝汗があるかどうか聞くのがポイントのように思います。

・小建中湯が少し良くなれば、黄耆建中湯が合うようになる感じです。だから小建中湯証が黄耆建中湯証よりもっと虚していると思われます。
上の【先人】のところに引用したように、教科書的には小建中湯より黄耆建中湯が虚していると書いているものが多いのですが、サントの経験からはこれは逆です。

・井上先生は「黄耆建中湯」と「当帰建中湯」を合せて「帰耆建中湯」としてよく使います。小建中湯に補血、強壮、滋養効果の高い当帰と黄耆を加味した処方。
諸々の虚を補う効果があり、夏ばて、慢性疲労、アトピー性皮膚炎、褥瘡、痔瘻、慢性潰瘍などに使用しています。

・小建中湯、黄耆建中湯、当帰建中湯、帰耆建中湯の使い分けは、よく似ていて微妙なところがありますが、言霊診断PhotoTouchMethodなどで鑑別できます。

・サントの患者さんですが、喘息があって、皮膚に締まりがなく、汗をかきやすい方にずっと黄耆建中湯を出しています。体が疲れると、黄耆建中湯がいいみたいです。黄耆は皮膚に作用するので肺にも作用します。東洋医学的には五臓の「肺」は皮膚と関連します。皮膚を強くすると肺が強くなります。だから喘息にも効きます。

【症例にリンク】
症例1. 2. 3.


【2013/05/09 21:31】 | 漢方解説
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IMG_0212.jpg5月××日外来

70代女性
めまいがあるのでかかっている。
動作がゆっくりしている。
小柄な女性、顔が少しボーっとしている印象がある。
☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆
『どうですかね、その後?』
   「変わりありません」
『めまいは相変わらずありますか?』
   「はい。めまいはいいけど、頭の状態が天気によって渦まいたようになるのはあまり変わらない。」

『じゃあ、お休みくださる』と、腹診のために横になってもらう。
『附子湯を3日で一袋ぐらいで様子見ていたんですけど』と、説明してくれる。
   「先月、漢方の70番がなかったけど、煎じ薬があったけど、70番をいただきたいけどどうだろうかね」70番の香蘇散がなくて、煎じの附子湯を飲んでいたが、香蘇散を飲んだほうがいいようです。
『そう、わかった』
   「頭の調子が悪い時に飲むといい。。」香蘇散は効くようです。
『そうだよね。』と、井上先生も答えます。

足を触ると浮腫みが減っているので『むくみが取れてきたので、そろそろ附子湯は終了にして、香蘇散という薬をおもに飲んでもらおうかね』
『舌出して』舌を見ても水毒はあまりない。
『真武湯を1日1回にして、香蘇散も必ず1日1回は必ず飲むようにしようか。気候が悪い時は香蘇散を余計に飲んでいいよ。』
   「はい。今年、2月はわりによかったんだけど、3月4月は暖かい日があったり、寒くなったりで調子が悪くなった」
『そうやね、バランスが悪かったんだね。香蘇散という薬を飲みながら、真武湯も1日1回は飲んだほうがいいよ。冷えがあるからね。』
   「今年は2月は、風にあたると寒いを通り越して痛かったよ。でも、煎じを飲んでいるとわりによかったんだよ。」附子湯で2月の寒さには耐えれたようです。
『それじゃそうしてみますよ』
   「はい、わかりました」
*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*::*
そして今回は香蘇散を主に、真武湯を従に出しました。

井上先生のコメント
・香蘇散の証は?と、聞くと
『胃が支えとる、天気で悪くなる、そしてそんなに胃弱タイプでない、気鬱だから』
曇りや雨で頭痛が起こる人には、一般の本では「五苓散」とありますが、井上先生は「香蘇散」をよく使います。

・また、風邪には「真武湯」と「香蘇散」を併用してよく使います。
一般の本では「葛根湯」と「桂枝湯」となるところでしょうか。



【2013/05/04 22:44】 | 症例
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IMG_0228.jpg5月××日外来

40代女性、新患
緑内障があると言って来られる。
詳細は分からないが、サルコイドーシスが基礎にあるようです。
見ると、両方の目が赤い。
すでに漢方を専門の薬局さんで処方されている。
また、西洋薬もたくさん飲んでいる。
☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆
『いかがですか?あっ、サルコイドーシスがあるんですか?』
   「目のほうで30歳で起こったんですが」
『きっかけはあるんですか?』
   「ストレスもあったんですが、わからないです」
『そうですか、わかりました。ちょっと体見せてくださいね』と、診察のために横になってもらう。
   「漢方を飲んでいるんですが。少し高いんです...」
『漢方でもいろいろの立場があるんですけどね...』

『サルコイドーシスなんで、免疫異常なので柴胡剤でうまくいけば○なんですがね、、』とサントに説明してくれる。
『舌、出してくださる』と、見ると、舌は赤くて乾燥している。
脈はやや沈んでいる、腹は右に胸脇苦満があるようです。
『滋陰降火湯とか滋陰至宝湯とか、それぐらいで行けるかもしれんね。このお体なら。しっかりした体しているのでね。』

起きてもらって肩を触りながら、『肩は右と左どっちが凝りますか?』
   「右です」と、患者さん。
次に、脇腹を叩いて『右と左とどちらが痛いですか。こっちのほうだよね、右だよね』
   「そうなんです、右のわき腹がいつも辛くて。。」
『肝だと思うのでね...』

そこで言霊診断を始めました。『体に聞いてみるでね、どうなるかなと思ってみて、素直に目をつぶってみて』と、前置きをして『滋陰至宝湯ですかね、脈が少し合わんけど、、滋陰至宝湯をのみました...肝の流れが良くなるね。肝の流れがよくなれば目に効くでね。じゃあ、滋陰降火湯を飲みました...やっぱり滋陰至宝湯やね。滋陰至宝湯に六味丸を足して飲みました...肝もいいけど、ちょっと違うんですが...やっぱり単純にしておきますね、滋陰至宝湯にしておきます。』滋陰至宝湯のほうが肝のうっ滞が取れる感じがあります。
『今から、のんでもらいますよ』と、滋陰至宝湯を1袋飲んでもらいました。
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10分後にもう一度入ってきてもらって、
『もう一度お休みいただけますか?』と、横になってもらう。
   「はい」
『脈がハッキリしてきたね、さっきの脈はわかりにくかったけど。』
腹を触ると胸脇苦満もさっきよりはっきりしています。証が浮いてきたようです。

   「薬なんですけど、今飲んでいる薬を飲みながらでいいですか?肺のほうもあったので呼吸器科と、内科と、整形外科と眼科とでかかっています」薬は吸入も入れると全部で9種類ぐらい飲んでおられます。
『そうやね、ビタミン剤とかはいらんし、肝臓の薬も漢方で補うのでいらんだろうね。大事なものだけでいいと思うよ。飲むなといえんけどね』
   「分かりました」
『いわゆる難病に効くという薬を出しておきますよ。これ効くと思うよ。まず、2週間で行こうね。声のトーンが変わってきたね。』、滋陰至宝湯を1包のんでから、患者さんの声が柔らかくなっています。
  「ありがとうございました」
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そして今回は滋陰至宝湯を処方しました。

井上先生のコメント
・加味帰脾湯と滋陰至宝湯の違いは?と聞くと
『加味帰脾湯は補気剤だから、腹が弱っている。この方はそんなに弱っていない。力があるので、芍薬があってもいい感じだったからね。』

・『滋陰至宝湯と思っても、滋陰降火湯のことがあるし。この逆もある。一概に女性だから滋陰至宝湯で、男性だから滋陰降火湯とは言えない。』
このあたりの微妙な違いは、やっぱり言霊診断とかPhotoTouchMethodをしないと分かりにくいと思います。


【2013/05/03 21:57】 | 症例
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