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日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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123.jpg123. 当帰建中湯

【生薬構成】
芍薬5、桂枝4、大棗4、当帰4、甘草2、生姜1 (g)
*小建中湯に増血、滋養、強壮、鎮痛効果のある当帰の配されたもの。膠飴が抜かれているが状況により加える。当帰があるので女性向の薬と言える。
【原典】
《金匱要略》の『婦人産後病脉證治第二十一』

【古典】
浅田宗伯の《勿誤薬室方函口訣》には『辨は小建中湯の條下に詳にす。方後に、地黄、阿膠を加ふる者、去血過多の症に用ひて十補湯などよりは確當す。故に余は上部の失血過多に千金の肺傷湯を用ひ、下部の失血過多に此方を用ひて内補湯と名づく。 』とあります。
*辨は小建中湯の條下に詳らかにす:とありますが、小建中湯のところにはありません。 十補湯:十全大補湯のこと。
【先人】
・すなわちこの方は婦人の腹痛、子宮出血、月経痛、および産後の衰弱、または下腹部より腰背に及ぶ疼痛によく用いられる。 《矢数道明:漢方処方解説》
・疲労しやすく血色のすぐれない次の諸症:月経痛、下腹部痛、痔、脱肛の痛み。 《秋葉哲生:活用自在の処方解説》
・貧血、冷え症/腹部軟弱/下腹部痛 《高山宏世:漢方常用処方解説》

【井上流】
・生理痛、産後の衰弱ばかりでなく、アトピー性皮膚炎など諸疾患にも用いて効果の高い薬です。虚弱となった今日の女性には瘀血があると思われても桂枝茯苓丸や温経湯などの効きが悪く、今ひとつ、改善されないことがあります。そうした時に良く診ると、現代女性は男女機会均等法などの関係で女性も男性と同じように夜遅くまで仕事をするために慢性的に著しい過労に陥り、時には生理まで閉止してしまう方もいます。虚労を治す建中湯に当帰が配されて補血しながら軽く駆血する効果のある当帰建中湯が良いことが多々あります。

・今日の女性の生理痛のファーストチョイスは当帰建中湯です
《以上;、脾胃を整える「建中湯類」の活用》

・当帰建中湯は虚労「心身疲労」に陥った女性の身体の底上げをすることで、冷えを治し、軽い瘀血を治す薬方で月経障害ばかりでなく、広く諸疾患に用いて効果が高いです。今日の女性にとって一番大切な処方となっています。 《女性の漢方治療基礎》

・当帰という女性生殖器の働きを良くする生薬が配されている。
生理痛・頭痛に使用。思春期以降の女子に良く使用。 《小児科領域の漢方治療》

【Dr.サントのコメント】
・小建中湯証で女性であれば当帰建中湯も考慮します。虚が強ければ小建中湯になって、虚がそれほどでもなければ当帰建中湯になります。
小建中湯か当帰建中湯かの鑑別は、前者が胃腸症状で後者が子宮症状の有無ででできるかもしれませんが、PhotoTouchMethodで簡単に鑑別できます。

・生理痛となれば一般の教科書では「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」とかになりますが、「当帰建中湯」が合う人が多いように思います。虚労を見逃さないことがポイントになります。

・確かに、男性では当帰建中湯があうひとは少ない印象があります。
男性だと、帰耆建中湯(黄耆建中湯+当帰建中湯)になるようです。

・井上先生もよくやっていますが、真武湯を併用すると効果が上がる印象です。
大体、当帰建中湯が合う人は裏寒があるので真武湯を入れるとさらによい印象です。

・女性で、つかれて、動悸がして、手足がほてって汗ばんで、子宮症状がある場合に、いいと思います。あと、女性で朝起きにくいという人に良く効く印象を持っています。サントの経験ですが、朝怠くて起きれなくて、目覚ましを5つも掛けているという方にとても効いてくれました。

【症例にリンク】
症例1. 2. 3.



【2013/05/10 22:22】 | 漢方解説
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