日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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IMG_0239.jpg5月××日外来

40代女性
不眠、手足のしびれ、のぼせなどでかかっている方。
横浜から来られている。
体は頑丈そうだが、顔は少しむくんでいて少しボーっとしている。
☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆
『どんなご様子ですか?』
   「薬が切れたので、風邪引いてしまったので、横浜の漢方の専門の先生のところにいって薬を貰いました。それが、合わないみたいで、体がガチガチになってしまった」
『何もらったの?』
   「柴胡加竜骨牡蠣湯と白虎加人参湯と石膏」
『どの先生にもらったの?』
   「○△先生です。」
『中医学の先生にもらったのね。休んでくれる』と、腹診のために横になってもらう。

『舌出してくれる』舌は少し赤い。『あなたって、敏感な体じゃない?』
   「うん。いちいち薬に反応する」
腹診をしながら『わかった、これ。その先生は柴胡と思われたのね。これ、胸脇苦満(きょうきょうくまん)と取ったのね。』、心窩部から季肋部にかけて緊張があるのそれを胸脇苦満と取って柴胡加竜骨牡蠣湯を処方されたというのです。『でも、これは、どっちかというと心下痞堅(しんかひけん)だよね。胸脇苦満じゃないと思うよ。』、心下痞堅だと木防已湯の証になります。
『その先生は、ここの緊張を胸脇苦満と取って、この胸のところに熱があるので白虎加人参湯にしたんだよね。熱あるけどこれ心下痞堅だもの。だから木防已湯証だよね。まえに、うちでは人参湯と真武湯を出したのよね、それで胸に熱を持ったのね、それで白虎加人参湯にしたんだね、たぶん。』と、説明してくれます。

『それじゃあね、木防已湯を飲んだと思ってくれる。』と、ここで言霊診断を始めました。『木防已湯を飲んだ...これ少し気が下がらない?たぶんこれだと思うので、今飲んでもらうよ。』
ぞして、木防已湯を1包飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後にまた診察室に入ってもらいました。
『どんなかんじですか?』
   「胸が楽なってきた」
『そうやね。横になってくれる』と、もう一度腹診のために横になってもらいました。
腹診をすると『まだまだ、ここは堅いでね。これはお通じもつけるでね。』

触らせてもらうと、さっきよりは緩んでいますが、まだ痞堅を感じます。『これは正反対に間違えやすいのよね。』、井上先生は、心下痞堅は胸脇苦満と間違えやすいと言われます。

『無理したらあかんよ。神経使いすぎてもあかんよ』と、患者さんに言います。
   「はい」
『もし下痢するようだったら、真武湯にしてね。お大事に』
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そして今回は木防已湯を処方しました。

井上先生のコメント
・心下痞堅(しんかひけん)ってどういう所見ですか?と聞くと
『心不全のときにでる。鬱血性心不全になっているときにでる。リンパの流れが悪くて、心下と季肋部にリンパがうっ滞して堅くなる。胸脇苦満でなくて胃内停水でもない』
心下痞堅という言葉は《金匱要略》の「木防已湯」のところに出てきます。


・井上先生は心不全に真武湯生脈散もよく使うのですが、違いは?と聞くと
『真武湯生脈散はそこまでいかない、胸が冷えて喉の乾燥がある、そして体にむくみがある。この方はリンパのうっ滞があるので木防已湯だよ』
サントの理解では、真武湯生脈散は水によるむくみが主で、木防已湯は横隔膜のあたりのリンパの鬱滞が主になるということでしょうか。


【2013/05/22 22:30】 | 症例
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