日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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IMG_0240.jpg5月××日外来

60代男性
不眠で来られる
痩せたかた、少し表情が硬い印象がある。
☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆
『ベンザリン、ハルシオン?』
   「はい飲んでいます、5年ぐらい」
『そうですか。ちょっとお休みください』と、腹診のために横になってもらう。
『他には何か飲んでいる薬はありますか?』
   「それだけです。この前まで少し尿の出が悪かったもので、ハルナールを飲んでいたんですが、いまは飲んでいません」
『わかりました』

腹診をしながら、胸脇苦満があるので『かなり神経高ぶる人だよね?』
   「そうですかね」患者さんは、そうだとは言われません。
『そうですか、違いますかね...』

更に、腹は腹直筋が緊張していて、腹力は弱い『疲れやすいですか?』
   「そうですね。運転して、仕事しているんですが、夕方に終ったころには疲れている」
『胸脇苦満あるよね。抑肝散と小建中湯ぐらいかな...お腹に虚はあるもんね、冷えもあるし』、サントに言います。
『ちょっとね、体の疲れと神経の高ぶりを押させるような薬を、肝臓をよくする薬を出してみます。』
   「肝臓が弱いんかね。それでビール350mlで真っ赤になるんだね
『そうやと思うよ』
     「分かった」患者さんは、なんだか勝手に納得されたようです。
『不眠症の薬を出すんじゃないのよ。肝臓の高ぶりをおさえて、補う薬をお出ししますので、自然に変わってくると思うよ。だんだん睡眠薬が要らんようになってきたら減らして』
   「ビールもダメなんだけど、魚を生で食べるとひどいね。体全体にじんましんが出る。寿司なんかダメだね。一切食べないようになった。」
『いわゆる解毒体質といってね、そんな体しとるのよね。お坊さんは生臭いものは食べないよね。それで長生きしている。豆とか野菜でいいよ』
   「わかりました」
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そして今回は抑肝散と小建中湯を一緒に出しました。

井上先生のコメント

・どうして一緒に出したのですか?と聞くと
『虚があるからね、肝を瀉すだけじゃ無理。同時に補うことが必要』

・抑肝散というと「怒り」があると思うのですが?と聞くと
『顔が硬くてきつい。胸脇苦満があって腹直筋の緊張があるしね』

・一貫堂の解毒体質用の「柴胡清肝湯」とかでもダメですか?と聞くと
『臍下が虚だもの』と、答えてくれました。

・抑肝散については、原典の《保嬰金鏡録》には「睡臥安からざるを治す」とありました。不眠の場合には抑肝散も鑑別に挙がるのです。


【2013/05/23 22:07】 | 症例
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