日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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IMG_0263.jpg5月××日外来

60代男性。新患。
右胸の帯状疱疹後の神経痛で来られる。
痩せていて、声が小さい。
元気がすこし低下しているように見える。
☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆。,・~~・,。★。,・~~・,。☆
『いかがですか?今、どんなお薬飲んでいますか?』
   「コレステロールが高いのでクレストールを飲んでいます。総コレステロールが230だったので」
『総コレステロールが230?そんなに高くないんじゃない?』

『すこしお休みになってくれますか』と、腹診のために横になってもらう。
腹診をしながら『今のお体パッと見ると、免疫力弱っちゃっているから、もうクレストールやめてみて』、腹力はかなり弱い。
   「はいそうしてみます」
『あの、お腹弱いですよね。』
   「はい」
臍の周りがボッテと盛り上がっているので『腸が弱いおへそしていますよ』
   「はい」
   
『それでどこが痛いんですか?』
   「右の胸から背中にかけてですけど、一番困るのは服で擦れてもいたくて、この痛みがずっと続いているんですよ。ペインクリニックでブロックしてすこし良くなったんですけど、新しいお薬を試してみたらからだに蕁麻疹がでて緊急入院をしました。そのご、神経ブロックをしても改善ないし...」
『そしたら、これすぐ赤くなるので、皮膚が弱っちゃっているので、』、腹を触ると皮膚がすぐ赤くなる。
   「そうです」

『そしたらね、2か月とか、いっぺん免疫力を上げるという観点から様子を見てみますかね』
 「ええ、お願いします。これは薬の副作用で入院してから、こういう症状があります」
左右のわき腹を軽くたたいて、『これとこれとどっちが痛いですか、右ですよね』
   「そうです、右が響きます」、胸脇苦満がはっきりあるようです。
『補中益気湯みたいな感じもするんですが...」とサントに説明してくれる。

『そうですよね。おしっこの色、どんな色していますか?』
   「正常の時もあれば、濃い時もあります」
『色濃いですよね。どちらかというと』
   「はい」
『あの、夏バテしやすい?』
   「いつも、夏はクーラーにあたっていないと火照って仕方ない。逆に夏が終わると一気にバテます」

『じゃね、体に聞いてみますよ』ここで言霊診断を始めました。『補中益気湯を飲んだ...清暑益気湯を飲んだ...これが頭がすっとするよね。補中益気湯よりこっちやね。今から飲んでもらいますよ。』
そして、その場で清暑益気湯を1袋飲んでもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分後にもう一回入ってもらう。
『今お薬飲んでもらって、どうですか?』
   「なんだか、体が温かくなりました」
腹診をすると『そうですね、楽になりましたよね、』腹の緊張が取れている。
  「腹の違和感が取れました」
『今から生活の指導させていただきます。2,3か月たっても、よくならんでも、焦らんようにね。体に貯金をしないといけないので。今病気が治らんのは貯金を使い果たしているので、病気としては治っているんだけど、免疫力が落ちているから。免疫力を上げるにはちょっとやそっとではあかんので、一番は生活をね。』
   「いまは無理をしていません」
『うまくいくと思いますので、頑張りましょう』
  「はいありがとうございました」
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そして今回は、清暑益気湯を処方しました。

井上先生のコメント

・清暑益気湯を出したのはどうしてですか、痛みに効くのですか?と、聞くと
『痛みには関係ない、体を立て直すことが必要。益気しないといけない』

・本によると帯状疱疹後の神経痛には「抑肝散」とか出すとあるのですが?と、聞くと
『肝に熱がないもの、この方は虚だもの。』

・痛みにはどうするのですか?と、聞くと
『痛みには痛み止めなど必要ないもの、気血を整えれば。痛み止めとかほとんど使ったことがない。それと、どちらかというと、厚朴が入った薬でいいことがある。当帰湯とかわりと使う。あとは、桂枝湯類やね、桂枝加附子とか桂枝加朮附湯とか。それが使えるようになるまで温めていく。麻黄剤とか絶対使わん。』
サントの経験でも帯状疱疹後の神経痛は難しいのです。まず、貯金をすることという発想はためになりました。



【2013/05/31 23:26】 | 症例
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