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日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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107. 牛車腎気丸

【生薬構成】
地黄5、山茱萸3、山薬3、沢瀉3、茯苓3、牡丹皮2.5、桂皮1、附子1、車前子3、牛膝3 (g) 
*八味地黄丸に車前子と牛膝が入っている構成。車前子は利尿作用があります。牛膝は腰痛、膝痛を良くします。両方で作用を下焦に引き下げます。

【原典】
宋の厳用和の《済生方》に出ています。

【古典】
浅田宗伯の《勿誤薬室方函口訣》では、
『此方は八味丸の症にして、腰重、脚腫、或は痿弱する者を治す。一男子年三十餘、年々脚気を患ひ、腰重、脚軟、歩する能はず、冬月はやや差ゆるに似たれども、春夏の際に至れば復た発すること故の如し。余強ひて秋冬より春末に至るまで、此方を服せしめて全く癒ゆ。』

【先人】
・八味丸を用いたい場合で、尿量減少や浮腫のあるもの。老人性腰痛や糖尿病性神経障害にはことに適している。 《桑木崇秀:漢方心療ハンドブック》

・腎陽虚の水腫。すなわち八味地黄丸の症候に下半身の水腫を伴うもの。 《秋葉哲生:活用自在の処方解説》

・八味地黄丸の作用をさらに増強させたもの。腰痛著しく小便不利のもの。 《矢数道明:漢方処方解説》

・下半身機能低下(腰痛、脚冷、臍下不仁)/足腰の冷え/排尿障害、浮腫傾向。  《漢方常用処方解説:髙山宏世》

【井上流】
・八味地黄丸の補腎効果を強化した薬。糖尿病の方や女性に使用する機会が多い。
八味地黄丸と同じく、腎虚に起因する疾患に頻用する。

・食欲良好で元気なお年寄りには八味地黄丸、牛車腎気丸なのですが、隠れた裏寒があり虚弱となっている方には温裏剤である真武湯を少量合方すると良いことが多いのです。
《整形外科の漢方治療》

・八味地黄丸の補腎作用を強化した薬。女性や糖尿病の人の腰痛、神経痛に良く用いる。
《老人の漢方治療①》

・牛車腎気丸(107) [八味地黄丸 牛膝 車前子]
  車前子――甘 寒   利水 通淋 明目
  牛膝―――苦 酸   補益肝腎 活血通経 止痛
八味地黄丸の作用を強化した薬方。糖尿病のある人や婦人によく使用する。
《補血剤、補陰剤について》

・八味地黄丸に更に牛膝と車前子を加えて補腎効果を強化した処方。生活習慣病一般に使用するが、殊に糖尿病に使用の機会が多い。
《生活習慣病の漢方治療①》

【Dr.サントのコメント】
・八味丸に比べて、足の浮腫みがある場合に良く効くようです。

・井上先生は、いろいろの方剤に組み合わせて使っています。
最近では、清心蓮子飲、木防已湯などと組み合わせて使っていました。

・サントのところには腰椎脊柱管狭窄症の患者さんが来られますが、牛車腎気丸を出すことが多いです。下肢のしびれに効いてくれます。

・糖尿病で足がしびれた場合にも使っています。

【症例にリンク】
症例1. 2. 3. 




【2013/07/22 21:51】 | 漢方解説
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