日本古来の漢方や中医学とも違う、新しい漢方ともいうべき「井上流漢方」について説明します。患者さんの気の流れをみて気を整えることを第一義とする「井上流漢方」を名古屋の井上先生の外来から報告します。
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087.jpg087. 六味丸

【生薬構成】
地黄5、山茱萸3、山薬3、沢瀉3、茯苓3、牡丹皮2.5 (g) 
*八味地黄丸から附子と桂枝が除かれています。
*3補(地黄、山茱萸、山薬)+3瀉(沢瀉、茯苓、牡丹皮)で構成

【原典】
《小児薬性直訣》に出ています。

【古典】
曲直瀬道三の《衆方規矩》では、
『腎経の虚損にて体痩せ憔悴し盗汗ありて発熱し、或は腎虚して渇をなし小便淋秘し気塞がりて痰多く頭目眩暈し眼に花ちり耳鳴り耳聞こえず舌痛み歯痛み腰腿痿縮え、或は小便に下り、音を失い、水あふれて痰となるを治し血虚の発熱を去るの神方なり。八味丸に附子、肉桂を去りて用ゆ。』と、あります。

【先人】
・この方剤はいわゆる腎陰虚の代表的方剤で、腰から下の精力をつけ、循環を良くし、尿の出渋るのを快通させる方剤だと考えればよい。 《桑木崇秀:漢方心療ハンドブック》

・これに冷えが加わると八味丸の適応証となる。したがって、八味丸証に多少の火照りがあってよい。 《秋葉哲生:活用自在の処方解説》

・腎陰虚を治る養陰の主方である。腎虚の症状とともに虚火上炎するため熱証、燥証を呈する。 《漢方常用処方解説:髙山宏世》

【井上流】
・地黄が配され補腎すると共に、牡丹皮が配され駆?血するように配慮されている。
高血圧など生活習慣病に用いられる

 ・杞菊地黄丸 六味丸 菊花 枸杞子
 菊花――甘 苦 微寒  疏散風熱 明目 清熱解毒 平肝陽
 枸杞子―甘 平 補肝腎 明目
 中年以降の諸疾患で目のかすみ、しょぼつきなどを強く訴えるときに

 ・知柏地黄丸―六味丸 知母 黄柏
 知母―――苦 寒  清熱瀉火 滋腎潤燥
 黄柏―――苦 寒  清熱燥湿  瀉火解毒 清虚熱
 知母と黄柏を配合すると神経系の興奮性を抑える 腎火を瀉す作用あり。
 抑えの効かないほど頑張りすぎるタイプの狭心症など中年以降の諸疾患に用いる。

 ・味麦地黄丸「八仙長寿丸」―六味丸 麦門冬 五味子
 麦門冬―――甘 微苦 潤燥生津 化痰止咳
 五味子―――酸 温  肺腎陽虚による咳嗽に用いる
 麦門冬と五味子が配され肺を潤し強化する効果が高い。口渇を訴える糖尿病傾向     のある人の生活習慣病に用いる。
《補血剤、補陰剤について》

・のぼせ、汗かき、寝汗、手足煩熱、臍下の熱があり、腎の働きが低下し、虚熱症状がある時に用いる。

・補腎剤の基本で、生活習慣病一般に使用する。
《生活習慣病の漢方治療①》

・のぼせ、ほてりを目標に、殊に男性更年期に伴う自律神経失調症状にも用いる。
《自律神経失調症の漢方治療①》

・肝腎を補う効果に優れている。体質改善薬としてアレルギー疾患全般に用いる。
《アレルギー性疾患の漢方治療①》

【Dr.サントのコメント】
・原典では小児の薬の様な取扱いですが、井上先生はあまり使っていません。

・長瀬千秋先生によると、中国では良く使うと言います。日本ではあまり使われないようです。その代りに、日本では中国にくらべて柴胡剤を良く使います。
中国が乾燥していて、日本が湿気ているからだと仰っていました。

・井上先生は、ご老人には六味丸の加味方の小菊地黄丸、味麦地黄丸、知柏地黄丸をよく使われます。八つ目製薬の方剤をよく使用します。保険適応がありませんが、数粒で効果があるので1瓶で長持ちします。

・サントもそれほど使いません。
でも、口が渇いて火照る人で麦門冬の薬ではなくて、六味地黄丸がいい人がいます。
ご老人で顔が火照って、頭がワクワクとして違和感があってという方に使ってよかったことがあります。

・糖尿がある女性で結構長期に出していることがあります。

【症例にリンク】
症例1. 2. 3. 


【2013/07/25 21:02】 | 漢方解説
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